kojire meshi
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媚びたっていいじゃない
ポエムだっていいじゃない
造り手の想い、空間、サービス
五感を通じ感じたコト
私なりの解釈でお届けします。
東京 上野
✥
.
" 明治8年創業、上野公園の奥座敷。
四季が肌から沁み入る
風情をはらんだ上野の杜。
.
師走の真ん中、冬盛り。
ふぐ煮こごり、ふぐ刺し
ふぐ鍋、ふぐ玉〆、握り、白子。
ふぐ唐揚げ、雑炊、ひれ酒。
舌の奥で感じるギュッとした旨み。
次酒を注ぐ手が笑う。
.
落ち着いて
周りを見渡すと
年を労う笑顔が咲き誇る。
口では表現できないほど
この人生や出会いが
とても尊いもののように感じる。
.
時を経て、
移り変わりが起ころうとも、
人を紡ぐのは縁と恩。
繋がりを辿り、
想いはやがて福と成す。
今宵も良い酔い福笑い。
"
.
✥
神奈川 横浜市港北区日吉本町
✥
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" 今年、最後の秋刀魚です。"
" 新秋刀魚、京都九条ネギ、チェリートマト、
かぼすのペペロンチーノ "
主張の強い素材がひしめき合い、
その調和が実にエレガント。
品の良い脂が鼻を抜ける。
食べ終えるのが惜しまれるひと皿。
.
あらゆる事には
始まりと終わりがあって
関わることが出来るは
その途中だけ。
.
今、身の回りにある環境は
未来永劫続いていくような
気がするけれど、
物事には必ず終わりがあって、
それはきっと自身が思うより
早いタイミングで訪れる。
どれだけ大切に想っていても
ある日、突然目の前から
姿を消してしまう。
.
だからこそ
今、この瞬間を大切にしたい。
手の届くところだけでも
感謝を伝え続けたい。
.
とりあえずもう秋刀魚が食べたい。
"
.
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東神奈川 川崎元住吉
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" かっぱ◯びせん-極-"
.
"芝海老セモリナ粉のフリット"
サクッぷりっじゅわっと
小気味よく旨みが炸裂する。
ピンと伸びた尾の先まで
やめられないとまらない
皆に愛されることを突き詰めた、
勝利の約束された味覚。
.
最初に料理のイメージがあり、
それを手元に還元して、
イメージと一致しているかを判断する。
その何十回、何百回の繰り返しで
新たなひと皿が生まれる。
イメージの卓越した描写力。
そのひと皿は料理人の矜持を具現する。
.
プロってすんごい。
.
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東京 東京 大田区 武蔵新田
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" にらめっこ。"
.
蟹のつぶらな瞳と見つめ合いながら、
ちびちび摘んで酒を焚べる。
疑うことのない味覚。
濃厚な暖かさが
胃の底から全身を巡る。
ゆっくりと食べ進めるだけで
汗ばんでくるような熱感。
冬の訪れを告げる
恰好の酒呼水。
.
多くの人から称賛を浴びて
有名にならなくてもいい。
ただ、少なくてもいい
自分ひとりだけでもいい。
この店は"自分にとって最高だ"って。
そんな風にお店を愛してくれるお客さんが、
きっと此処には沢山いる。
.
笑ったら勝ちよ。
今宵も楽しいにらめっこ。
.
.
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東京 品川
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" 秋こそビール。"
.
デッキを転がる靴音
水面をすべる秋風
日差しがキラキラと眩しくて
涙目になる。
触れる空気の質感が
鋭角さを増すほどに、
昼のビールもまた
一層の切れ味を帯びる。
.
甘辛いスパイシーチキンウイングに
ブルーチーズのディップ。
"どのビールが合うかな?"
なんて言いながら
一瞬で全グラスが空く。
.
ミディアムレアの牛ミスジステーキ。
溢れる肉汁と赤ワインソース、絡むポテト。
パワフルなメニューに
耐え得るビール選びがなんとも楽しい。
.
深呼吸をひとつ。
身体の内側のあたたかさと
外気の冷たさの調和が心地良い。
季節が深くなるほどに
ビールの個性もより色濃く、際立つ。
.
.
✥
東京 神奈川 川崎市元住吉
✥
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" ご近所の夕食の香りに誘われて。"
.
夕刻のベランダ
立ち昇る焼き魚の香り。
ほくほくとしていて
塩が効いていて、
皮目はパリッと。
そして大根おろし、お酒。
妄想とよだれが止まらない。
今夜はこの誘いに乗ることにしよう。
.
"秋鮭イクラ親子焼"
芳ばしい焼き目
イクラと大根の毛布
視覚があたたかい。
プチっと弾ける旨みを
ほぐれる身と酒で受け止める。
.
内側からじんわりと
秋を伝える味覚。
さて明日は、
どんな香りに誘われようか。
.
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東京 大田区 武蔵新田
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.
" こういう出逢いがあるからやめられない。"
.
武蔵新田駅。
夕闇の似合う商店街が
今宵の期待をさらに背中押しする。
朗らかな笑顔で迎えてくれる
大将夫妻の人柄に
今日の勝利を確信する。
.
料理が呼吸し、
季節をはき出している。
"限られた枠組みの中で
どうやって今を表現をできるのか
それを考えるのが楽しくてたまらない。"
そう料理が教えてくれる。
.
この境地に辿り着くまでに、
大将の料理人として生きてきた
長い年月があるんでしょう。
実直に、きっと努力を続けてきた筈。
ひけらかさずとも如実に伝わる。
.
郷土への想いを
自身の今を
料理人としての矜持を
食を通じて表現する。
それができる力強さ。
.
末長くお邪魔したい所存。
最高の時間を有難う御座いました
.
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神奈川 川崎市ノ坪
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" ビールを四00円に
値上げさせていただきます。"
.
令和とは思えない文言に
心が鳴く。
土曜の昼
やわらかな日差し
もつ煮込み、七味、中瓶。
なによりの贅沢。
.
"焼きおにぎり100円"
これぞ別腹。
説明できないことがあるから
この世は素晴らしい。
.
"お会計置いときますねー。"
多忙なご主人が
手を止めずに振り向く。
"そば50円値下げしたけど合ってる?"
この時勢に値下げとは。
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どこまでも懐深く味わい深い。
敵わないなぁ。
.
.
✥
神奈川 川崎元住吉
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.
" 黒帯チャーハン "
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深い秋の夜空。
磨きあげた漆色の空。
なんだかうら淋しくなって、
ポケットに手を入れて
足早に向かう。
.
深い黒の中に
優しさをはらんだ
香ばしいひと皿。
飾らない
あたたかい日常が
口いっぱいに広がる。
.
飲み干すその一杯が、
今日一日の無事を伝えてくれる。
満たされたその余韻が、
帰り道の踏み出し方を教えてくれる。
気取りのない優しい笑顔に
心が揺れる。
.
こぼしたひと口を
指でつまんで噛み締める。
帰り道、見上げる夜空
もう大丈夫。
.
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神奈川 川崎平間
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" 腰肩、行く末へと宵は廻る、絶え間なく。"
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駅前の趣あふれる商店街を、
季節を間違えたかのような
あたたかな秋風が吹き抜ける。
ふわふわと歩くその先で
出迎えてくれる大きなくま。
.
おばんざいに刺身
手羽先、幽庵焼きにカツ煮
おでんに〆は稲庭うどん。
湯船に浸かるような
あたたかくてホッとする時間。
五臓六腑に沁み渡る。
.
長い長い冬を
乗り越えるための眠り支度。
秋の夜長を
ゆったりとくつろいで。
.
✥
東京 六本木
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" 大切な時間に大きなリボンをかけて。"
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想いの糸を束にして
贈り物に結びつけよう。
かけがえのない時間を
両手で掬って抱きしめる
.
誰かの笑顔を願い、想うこと。
真摯に向き合い、紡ぐこと。
今しかない時間を零さず掴むこと。
生涯の中のたった一食に
精一杯の気持ちを詰め込むこと。
世界でたった一つの贈り物
そのリボンを解く高揚感を。
.
○キャビアとオマール海老のジュレを
なめらかなカリフラワーのクレームで
○山口県宮島町産ムール貝のマリニエール
ポムフリットを添えて
○彩り鮮やかな秋野菜のポワレ
コリアンダー香るキヌアのタブレ仕立てと共に
○なめらかなショコラのガナッシュ
ビタークッキーでコーティングしたカカオのグラス
○洋梨のクラフティ
ポワールウィリアムのソルベを添えて
.
それにしても、
こんなにも気軽に
スペシャリテをビールで楽しめるとは。
.
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ビストロギオット
神奈川 川崎 武蔵小杉
✥
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" 今日、うちのオカンいるよ。"
大将からの思わぬ返信
呆気にとられる。
"こっちのオカンも連れてっていい??"
目には目を。
.
"菊の着綿"
重陽の節句
菊の花を真綿で覆い
夜露と香りを移しとる。
翌朝、その綿で体や顔を拭うと
老いが去り、長寿を得るという。
.
"オカンにはオカンを"
来店1時間前の急な声がけ
飛び出してきた割には盛粧麗服
夜の香りを漂わせる。
意気投合。終わらない乾杯
翌朝まで続くその余韻
なんだかハリが出たわよ。(本人談)
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○浅利 里芋団子 津軽鶏
木の芽 浅利のスープ
○戻り鰹の叩き 茗荷 スプラウト 浅月
紫芽 太白油 胡麻 生姜土佐醤油
○馬肉バラ炙り刺し 玉葱
○帆立 百合根 銀杏
絞りすだち 鼈甲あん茶碗蒸し
○鰻 トマト オクラ 焼串
○焼豆腐 焼葱 大和芋
仙台牛松茸のすき焼き 青海苔 一味唐辛子
○筋子醤油漬け 飯蒸し 海苔
花穂紫蘇 山葵 鬼おろし
○鱧葛打ち 無花果天婦羅
柚子味噌
○甘鯛と大黒しめじの酒蒸し
銀あん 栗粉 山葵
○土鍋ご飯
.
遠く仰いだ夜空に
名月がぽっかりと浮かぶ。
名残惜しい祝い酒。
急な我儘に
文句ひとつ言わず
付き合ってくれた皆に
何よりの感謝を。
.
✥
ビストロギオット
神奈川 川崎 武蔵小杉
✥
.
" 言わないで。私が当てるから。"
夏の勝利の余韻も
秋の宵闇に落ち着きを覚え、
界隈は日常を取り戻す。
印象的なファサード
植木が心に優しい。
店内から溢れる穏やかな灯り
いざなわれるように中へ。
.
"桜エビのトムヤム風スパゲッティ"
地中海にアジアの風が吹き抜ける。
ハードワークが偲ばれる
清澄なスープと
寄り添うスパイスの妙。
フレンチの本懐と
シェフの矜持を感じる味覚。
興味を掻き立てられ、
底知れぬ奥深さを解明してみたくなる。
.
"白ワインが合うことだけは判ったわ。"
風土が滑らかに手を繋ぎ、
秋風が全てをまるく纏めてくれる。
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✥
東京 浅草
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.
" くしゃみ。"
季節が交わる。
まだ思い出せる夏の匂い。
吹き抜ける色付いた風
鼻先をくすぐる。
.
"聞いてよ、今日ね。。"
肩肘を張らずに楽しめる
ひと皿の温もりが、
心の奥までしっかり届く。
皆んなきっと
荷物をおろしたくて
ここに来るんだね。
.
"ねぇ、聞いてる??"
ベリーソースのマスタードが弾けて
鼻につんとくる。
.
夜風が酔い身に心地良い。
くしゃみを一つ。
意味もなく徘徊したくなる夜。
.
✥
神奈川 川崎武蔵小杉
✥
.
" 白米ありますか?"
"お久しぶりですね。"
週1回通い詰めた上半期。
1ヶ月空けての訪問が、
途方もない歳月に感じる。
.
久方ぶりにて改めて感じる。
そのひと皿の変態っぷり。褒め言葉。
"秋刀魚とローズマリーの親和性。"
"マグロの中落ち×冷製パスタ"
"ハーブを巻いた豚肉エアーズロック。"
.
美味いが過ぎると
酒では耐えきれなくなる。
なりふり構ってはいられず
咄嗟に白米を所望する。
.
"ないっス。"
そう、今は閉店間際。
次回はおひつ持参で挑みたい。
.
✥
栃木 那須高原
✥
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"触れると浮かぶもの"
"止まって考えていても
ありきたりの言葉しか
思い浮かばないんですよね。"
はにかみながらも
落ち着いた口調で御上さんは話してくれた。
.
・長芋の冷スープ
・夏の籠盛り
雲南百薬と茗荷、南瓜の夏仕立て、揚げ茄子
冷茶碗蒸し、モロヘイヤのかき揚げ
・枝豆ぷるん
・特選とちぎ和牛の炭火焼き
・夏野菜の牛乳鍋
・天然鮎の土鍋炊き込みご飯
・お漬物、デザート、桑の葉茶
.
触れた瞬間、
言葉は堰を切ったように溢れ出す。
今日あった出来事を話すような気軽さで、
毎日の支えになるような
温かい想いが湧き出してくる。
.
空っぽになった頭の中を
里山の滋養が巡る。
身体がスッと軽くなる。
.
✥
栃木 那須高原
✥
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"自然にうたわれた定宿。"
木の葉に溜まった湿度が
雫となって落ちてくる。
空は晴れても
森の中は雨模様。
自然に囲まれて
"くうねるあそぶ"の
なんと楽しいことか。
.
車を走らせ、すれ違うのは
虫の鳴き声と鳥の羽ばたく音
そこに音楽はいらない。
.
午後6時、夜の帳が下りる。
霞む緑が空間に結露しはじめる。
出迎えてくれるのは鳥のさえずり
引き戸を開けて、光のなかへ。
.
✥
神奈川 川崎武蔵小杉
✥
.
"30代男性は自分の聖域を作りがちなのよ。"
暗がりの脇道を抜けて
ぼんやりと浮かび上がる
杉玉を目指す。
引き戸の隙間から滲み出す風情。
四角いガラスの向こうには
品の良い活気がひしめく。
.
"穴子とじゃが芋の重ね蒸し"
ふわふわホクホクとろとろと。
夏冷えの身体を芯からほぐす
和らぎの味覚。
ついつい無意識に箸が進む。
.
カウンターの内側で
真摯に仕事と向き合うご主人
柔らかな物腰の女将さん
2人の間にある空気が
これまた酒によくあう。
.
"こんな居場所があったらステキじゃない。"
引き戸の隙間から秋風が忍び込み
意に捉えぬまま抜けていった。
.
✥
神奈川 川崎武蔵小杉
✥
.
"ひと粒すくって覗き込む。"
銀座並木通りが懐かしい。
今はなき店舗に
大変世話になった。
作法も魚の種類も
何にも分からない私に
飽くことなく
見限る事なく
何度でも教えてくれた。
.
堂に入った客あしらい
腰の座った味わい。
安心して食べ進めることのできる
胸を張った握り。
店は違えど通ずる精神。信念。
働く背中に誇りが浮かぶ。
.
安堵とともに、
なぜか面映さを覚える一食。
.
✥
ビストロアンパサンド
神奈川 鎌倉
✥
.
"願わくば、
この店のしゃべる壁のシミに
私はなりたい。"
夕焼け、背中を押す海風
まだ波に揺られているような感覚。
海上がりの身体は重くとも、
心はまだ高揚したまま。
.
"鎌倉、三浦、旬野菜のテリーヌ"
.
意識を引き込まれる
とてつもない吸引力。
野菜を摘み取るように食べ進める。
気の遠くなるような造り込み、
素材ひとつに垣間見える遊び心。
シェフの料理人としての
矜持を感じた瞬間。
.
"鮪と鎌倉野菜のココット焼き"
.
地の食材を濃縮させた
ブイヨンのようなひと皿。
噛み締めて、ほどけて
口内にそっと寄り添う。
シャツにはねたスープの一滴が、
じんわりと優しく心に滲む。
.
地に愛された
落ち着きのある大人の空間。
料理への真摯な想いを
感じることのできる場所。
.
無意識に此処に
居場所が欲しくなる。
心はまだ、高まったまま。
.
✥
神奈川 川崎武蔵小杉
✥
.
"もう一度。"
イカスミソーミンチャンプルー。
程よく立った塩味が
あの日々を思い出させる。
.
遠く仰いだ夏の夜
高く泳いだ空の青さ
雲を越えてさらに向こうへ。
.
沈む夕日、心が涼む
ただ浮かぶように1日を過ごす。
今は遠いあの景色。
.
夏が終わるなんて
気のせいだと思っていた。
.
汗をかいたオリオンビール。
この夏に出逢えた景色、人。
一つ一つを思い出しながら
一気に飲み干す。
.
✥
神奈川 川崎
✥
.
"折り重なる旨みと酸味の妙。"
"マリネしたコハダとトマトのテリーヌ"
身厚なコハダを折り重ね、
トマトを優しく包み込む。
.
噛み締めた奥歯が豊かさを伝える。
ふわりと広がるコハダの香り、
上品な酸味と旨味のバランスが
なんともたまらない。
急いで白ワインで追いかける。
.
和食のソレとはまるで別の感覚。
イメージが鼻先を撫でて、
夏の夜に消えていった。
.
✥
神奈川 川崎
✥
.
"イタリアン焼き魚。"
"神奈川産 カマスのグリル レモンとヴィネガーで"
.
脂の弾ける音が聞こえてきそうな
パリッと香ばしい焼き目。
クセのない淡白な身を噛み締めると、
じわじわと旨みが滲み出す。
余韻は爽やか。
ハーブ、柑橘との相性の良さ。
.
意図の伝わる
肌馴染みの良い仕立て。
秋の主役を彷彿とさせる
季節薫る味覚。
.
✥
神奈川 川崎
✥
.
"愛すべき全ての名もなき酔っ払い達へ。"
"松茸と鱧土瓶蒸し"
始まってます。
ひと足早い秋の便り。
.
残暑、冷房の効いた店内
香り豊かな熱々の出汁を
澄み切った酒で抱きしめる。
重なるコントラストが
季節のうつろいを色濃く醸し出す。
.
酒瓶片手に此処へ集え。
次季はもう、
すぐそこまで来ている。
.
✥
神奈川 川崎
✥
.
"イタリアン焼き魚。"
"神奈川産 カマスのグリル レモンとヴィネガーで"
.
脂の弾ける音が聞こえてきそうな
パリッと香ばしい焼き目。
クセのない淡白な身を噛み締めると、
じわじわと旨みが滲み出す。
余韻は爽やか。
ハーブ、柑橘との相性の良さ。
.
意図の伝わる
肌馴染みの良い仕立て。
秋の主役を彷彿とさせる
季節薫る味覚。
.
✥
東京 目黒区 自由が丘
✥
.
目黒区、自由が丘の奥座敷。
這う這うの体で階段を登り、
涼を求めて転がり込む。
.
汗をかく赤星、茹でたての枝豆。
冬瓜、澄み切った冷たい出汁。
炭火で焼いた淡路島の玉ねぎ
異次元の糖度に心を奪われる。
.
いつの間にか
暑さなんて忘れて
和らいでいた。
.
うなぎだし巻き玉子
ハマグリ酒蒸し、京都牛モモ肉炭火焼き
たこと九条ネギの土鍋ご飯。
ピリッと感性に響く京料理。
素材の持つ力強さに
ただただ頷くばかり。
.
戸を開くと、
涼しげな風が入り込んできた。
同時に染み込んでくる夜の闇
それもまた涼しげに肌をなでる。
.
夏の夜空に
爽やかな余韻が抜けていく。
残る夏を涼やかに寛いで。
.
✥
東京 千代田区 神保町
✥
.
千代田区、神保町。
線香の香りに誘われるように
地下へと続く階段を降りると、
あたたかな明かりに満たされた
落ち着きのある空間が現れる。
.
"お久しぶりです。"
気立ての良い、
ご主人の変わらぬ笑顔に
心がほころび、背筋が伸びる。
.
パリッとした皮目
身はほどけるように繊細。
前歯がいち早く口福を伝える。
設えひとつ、所作ひとつ。
感じることの出来る全てが
味わい深く、滋味深い。
.
のびやかな川のせせらぎ、
透明に色濃く露出する。
小さなあかりに導かれ、
夏が泳ぎ出す。
.
✥
東京 上野 浅草
✥
.
"夏風邪。"
夏の空に帷が下りる。
スカイツリーを眺めながら
ぼんやりと頬杖をつく。
.
ゆっくりと過ぎる時の中で、
今日もこうして何気ない時間を
過ごせることが嬉しい。
忙しなく過ぎる時の中で、
何もしない、何も考えない時間は
とても贅沢なひととき。
.
意識の向こうで会話が飛び交う。
話題はもっぱら"この夏の過ごし方"。
.
"それで、アナタはどこで過ごすの??"
"えっ??"
.
走り続けて、気がつけば8月。
もう夏がこんなところまで来ていたなんて。
.
✥
神奈川 川崎市
✥
.
"路地裏、玄関、提灯。"
暗闇に浮かぶ
提灯の明かりが、
道ゆく人の心を誘う。
インターホンを鳴らし、光の中へ。
.
"姫にんにく丸揚げ"
隙間から覗く艶やかな身肌。
ちりばめられた岩塩がキラキラと光る。
しっとりとホクホクと。
じわじわと味蕾にしみ込む力強さ。
むかうビールで全てを置き去りにする。
.
"なめろうレンコン挟みフライ"
サクッぷりっじゅわっとくる
官能的な食感。
酔いが回ってからの
なめろうはさらに美味い。
その豊かさが酒に乾いた身にしみる。
.
正しい素材に、正しく手を加えた
真っ直ぐに響く味覚。
気取りのいらない美味しい時間は、
胃の腑に寄り添い、心を照らす。
脇目もくれずに向かう寄り道。
温もり深いオトナの誘導灯。
.
✥
オステリア ボッカーノ
神奈川 川崎市
✥
.
"スパゲッティ"
かつては"はじめまして"の代わりに
"ペペロンチーノをください"と宣い、
イタリア料理店を恐怖のドン底に突き落とすほどの
ペペロンチーノ狂いだった私。
今ではその牙を抜かれ、
"メインはいいんで、パスタを2品オーダーさせて下さい。"
と、麺を茹でる手を震えさせる程度には落ち着きました。
.
立ち昇る湯気、
漂う香りで心が染め上がる。
はじめましてのひと口は、
今でも最高のワクワクを与えてくれる。
.
✥
天福楼
(小皿中華料理居酒屋)
神奈川 川崎市
✥
.
豆苗炒め、麻婆豆腐、棒餃子。
イカとニンニクの芽、蒸し鶏に中華丼。
中華にはアレコレ頼みたくなる何かがある。
.
"もう一品たのんでもいい?"
〆まで行ってから開くハードメニューは、
いつもと違う選択肢を教えてくれる。
.
海鮮おこげ、ニラ玉炒め、ナス味噌炒め。
キクラゲときゅうりの中華和え。
クラクラします。
.
✥
ワインと炭火焼harao
神奈川 県川崎市
✥
.
" 〆のその先へ。"
.
どこを切り取っても惹きつけられる。
作り手の人柄を顕すような
力強くもインテリジェンスな味覚たち。
.
"生ハムとパイナップル。"
"アボカドとグレープフルーツ。"
君といるときの僕が好き的なタッグ。
アボカドと果実の間を、
オリーブオイルと少しのハチミツが繋ぐ。
.
"鮎のコンフィ"
セルフィーユときゅうり。
森の中へ意識がトリップする爽やかさ。
蓼に勝るとも劣らぬ鮎との相性、解釈。
.
"〆のキーマカレー"
頭の後ろまで突き抜ける
清涼感とコクの共存。
もう一度、意識を醒まして、
〆のさらにその先へ。
.
✥
おしょくじ処 天真爛漫
神奈川 県川崎市
✥
.
" ヤングコーンってなんだかんだ、
ヒゲが一番旨いですよね。"
.
エイヒレ、唐揚げ、
揚げ出し豆腐。
栃尾あぶらあげ焼き、
皮付きヤングコーン炙りチーズのせ。
.
ざっかけない会話
気取りの無いひととき。
どんな1日だろうと
ビールと串焼きがあれば上々だ。
.
今日はもう切り上げて、
ビールにしませんか。
.
✥
loveワインとビストロのお店
東京 世田谷二子玉川
✥
"温かいシェーブルチーズのサラダ"
優しい酸味とカビ由来のピリッとした刺激。
塩味を受け止める小麦感がまた最高で。
.
前歯で齧っては、
ワインで迎え撃つ。
膨らむ香りが飽和して、
鼻腔を抜ける豊かさに溺れる。
感嘆の声が漏れると共に、
グラスを持つ手の小指が立つ。
.
✥
神奈川 鎌倉市長谷
✥
長い付き合いながら、
絶対にこの投稿を見ることのない貴方だからこそ、
敢えてここに書き連ねようと思う。
.
貴方はヒトの良い部分を
引き出すのが本当に上手い人。
才能を切り分けて認める事ができる人
自身を削って経験させる事ができる人。
そんな貴方がいてくれたからこそ、
今の私を育む環境がある。
.
私の企画する飲み会には
基本的に参加したくないところも
晩餐会のような食事会に
ジーパンでくるところも
どんな場所でも、どんな天気でも
誕生日を祝ってくれるところも。
.
全てが最高です。ありがとう。
.
✥
東京 江東区潮見
✥
.
" いつまでも野心的。"
ブラックホール。
吸い込まれそうな夜景。
眺めているだけで、
説得力のない甘美な言葉が
口の端から溢れそうになる。
.
ガッとかぶりついた
その前歯が味覚を伝える。
マッチョな肉感、
溢れる旨味がダイレクトに
脳に刺激を与える。
.
噛み締めた時間を反芻する。
自然と心に力が湧き、
少しだけ我が儘にさせてくれる。
いつまで経っても、
何度訪れても、胸を張らせてくれる場所。
.
✥
神奈川 川崎市中原区木月
✥
.
"誰かの歩んできた物語は
扉の向こうに安らぎを求め、
酒と共に語られ、
店の歴史に居を定める。"
✥時世の移り変わりを背に
ますますその輪郭は鮮明になる。
.
"ホタテとサフランのリゾット"
黄金色の絨毯が広がる。
米の一粒一粒を優しく包み込む出汁。
フワッと立ち昇る
淡く芳しいサフランの香り。
踏み締めるたびに伝わる
高揚感が心を豊かにしてくれる。
.
のこる余韻の向こう側、
無意識に店内を見渡して
歴史の片鱗を探してしまう。
築き上げてきた歩み、
そのひと口に触れて、
改めて感嘆の息が漏れる。
このため息が折り重なって、
いつか黄昏になってくれたらいい。
.
✥
神奈川 川崎市中原区市ノ坪
✥
.
"この幸せな感覚は、いったい何なんだろう。"
みじん切りの飴色たまねぎ
豚肉、福神漬け、
出汁の効いた蕎麦つゆ。
カレー粉を丁寧に育て上げた
甘く淡く、優しいカレー。
飲み干す麦茶までも
隠し味にしてしまう。
.
"いらっしゃい、
今日は大盛りでいいかい??"
磨き込まれたコミュニケーション
余計な言葉はいらない。
.
"お会計おいとくね〜。"
"まいどっ。またお願いします!"
.
まるで昭和のドラマのような情景。
自身でトレーに代金を支払い、
前客の支払った代金からお釣りをとる。
決して当たり前ではない
信用あってこそのやりとり。
.
目に映る全てが、
慈しみ深く、慎み深い。
.
✥
神奈川 川崎市麻生区万福寺
✥
.
甘さを含んだ風が
撫でるように肌に触れる。
日差しの暖かさと風の柔らかさが
言い表せないほどに調和する。
.
気づけば初めましてから早1年。
その間お邪魔する事16回。
興味が尽きる事はなく、
毎回が本当に楽しみだった。
.
"カニとブルーチーズの茶碗蒸し"
蟹、椎茸、卵、ブルーチーズ。
経験に裏付けされた
当店不動のスペシャリテ。
その響きに誰もが耳を疑い
その味わいに誰もが頷く。
素材の調和に
心身がほぐされる。
.
"次はいつ来れるかな。"
くすぐる夜風にため息ひとつ。
沁み渡る余韻に心を預ける。
.
✥
東京 世田谷区二子玉川
✥
.
" 絶え間のない日常にひとつまみのココナッツを。"
"南部ブン・タウ コロコロバイン・コット"
ココナッツと米粉を用いた
日本のたこ焼きを感じさせるひと皿。
そのかわいらしいルックスに、
危うくおじさんの中の女子が目覚めそうになる。
.
まろやかな質感と
ふわりと抜けるココナッツの香り。
風土の力強い風味を
柔らかく仕上げたアプローチ。
どこか懐かしさを感じる
浸透力のある味覚。
.
滲み出す熱帯のエッセンスに
敷居なく触れられるリラクゼーション。
此処は二子玉川の小さなヴェトナム。
.
✥
神奈川 川崎市
✥
.
" 明日も頑張って下さいね。"
その背中押しがあれば、
どこまでも行ける気がする。
賑わう商店街から路地へ入ると現れる
落ち着いたファサード。
柔らかなタッチの
"izakaya"の文字に
どこかホッとする。
.
"いらっしゃいませ!
お待ちしておりました!"
笑顔で手を振りながら
迎え入れてくれるような、
溌剌としたもてなし。
令和5年3月21日オープンの当店。
カウンターには
祝いの花と笑顔が
ずらっと咲き誇る。
.
"ちょいとマルゲリータ"
そのキャッチーさとは
裏腹に"しっかり"とした
満足感のある味覚。
多くの胃袋を助ける
粋な計らいに顔が綻ぶ。
.
息が詰まりそうな毎日の中で、
"しっかりしなさいよ"と、
笑いながら呼吸の仕方を思い出させてくれる。
誰もを受け入れてくれる
懐の深い、オトナの止まり木。
.
これから時間をかけて、
この街、この商店街の
背中を押す存在にきっとなる。
.
✥
ワインと炭火焼harao
神奈川 川崎市
✥
.
" つまみ"
過ごす時間の安らぎに
心を絆されてもいようが、
実は自らの人生の端を
見つめているだけなのかも知れない。
.
春風に身をゆだねるように
目の前を吹き抜けて行く
日常のあれやこれや。
ふわふわと飛んでいくモノあれば
所在無げにいつまでも漂っているモノもいる。
心の縁に溜まったモノを
つまんでかざして見せる。
.
"今日、実はこんなことがあったんです。"
口の端から
溢れては消えていく
他愛の無いハナシ。
でもきっと
それは心に優しくて
酒とすごく合う。
.
✥
FRICO
神奈川 川崎市
✥
.
"日常の延長線上にある非日常。"
モトスミ・ブレーメン通り商店街。
界隈でも随一の活気に溢れる通り。
賑わいから逃れた路地に佇む
味わい深い様相の当店。
.
タヴェルナの名を冠する
肌馴染みの良いやわらかい空間。
それと見事に反比例する
ひと口で伝わる情熱。造詣の深さ。
振れ幅は熱量となり
訪れる誰かの心を支える。
.
仕事帰り、買い物帰り、散歩みち。
振り返ればそこにいてくれる
その安心感。
何気なく笑いかけてくれる
そんな暖かさ。
.
思わず唸る。
頼りがいのある
その在り方。
.
✥
Noctambule ノクトンブル
東京 世田谷区祖師ヶ谷大蔵
✥
.
"これは春ですね。"
一周まわって語彙が吹き飛ぶ。
.
"ウニとしらすの塩スープパスタ"
.
スープの質量を超えた春がそこに在る。
鼻先をくすぐる塩塩梅が、
港町の潮風を彷彿とさせる。
ギュッと詰め込んだ素材の豊かさが、
スープの中で爛漫に花ひらく。
.
気道を抜けて立ち昇る余韻。
ゆるやかに吹き抜ける淡春の報せ。
風味豊かに、酔いうらら。
.
✥
Kappouとよふく
神奈川 川崎市新百合ヶ丘
✥
.
"あした、春が来たら"
花粉をなんとかして欲しい。
.
"子持ち昆布フライ"
ぷちぷちとサクサク。
食感のオノマトペに心が沸く。
口内で弾ける強い旨みを
タルタルがやさしく抱き締める。
.
リズミカルに刻む食感が、
心浮く季節の到来を教えてくれる。
芽吹きをビールで拭う。
喉を通る爽やかさに、
心と気道がハナ開く。
.
✥
loveワインとビストロのお店
東京 世田谷区二子玉川
✥
.
仔羊に沈没する。
したたる肉汁の表面張力。
躊躇い、感嘆が漏れるテクスチャー。
ナイフを入れて
こぼれた旨みを、
再度ぬぐって抱き締める。
.
噛み締める度に溢れるエキスが
口の端から逃げ出しそうで
思わず顎が上がる
どこまでも清澄な動物感。
深く深く溺れて沈む。
.
ふと顔を上げると、
黄金色の頂の向こうに
猛るワカサギの魚雷が見える。
もう浮上することは
叶わなそうだ。
.
✥
神奈川 川崎市麻生区百合丘2-9-7 102
✥
.
" ご飯おかわりしてくださいね。"
親子の温もりをギュッと詰めた
やすらぎ沁みる街のフレンチ。
"あら、こんばんは。"
シェフのお母様の柔らかなもてなしが、
冷え切った心身をやさしく拭う。
.
"ビール、あったかしら。"
街の洋食屋と括るには
あまりにも繊細なひと皿。
細部にまで行き渡る趣向。
視覚に美味しさが飛び込んでくる。
.
"ありましたよ。最後の一本。"
ライスはお茶碗で。
ハンバーグを一切れ乗せて
口いっぱいに頬張る。
噛み締める度に伝わる
口福に胃の腑が鳴く。
その親しみ深い
朗らかな笑顔に心が泣く。
.
全てを許してくれるような
優しい時間。
きっと今日もまた、
街の誰かの想いに寄り添い
そっと心をあたためている。
.
✥
東京 世田谷代々木
✥
.
" 働くオトナの義務教育。"
渋谷区、代々木上原駅より
鼻歌ワンフレーズで辿り着く赤提灯。
この地で40余年の老舗居酒屋。
.
壁一面に貼られた品書きが
煙で燻されて一段の風合いを纏う。
空間に刻み込まれた歴史。
可視化された時間の流れが、
胃の腑に優しく降り積もる。
.
冷奴、銀杏、揚げにんにく。
ナス味噌炒め、ゴーヤ炒め
赤ウインナー、おでん、チャーハン。
.
口内に寄り添う味覚が、
今日一日の無事を伝えてくれる。
飲み干すビールが、
明日への踏み出し方を教えてくれる。
気取りのない優しい笑顔に
暖簾が揺れる。
.
街、店、人、歴史。
これが今の僕らの先生だ。
.
✥
東京 世田谷祖師ヶ谷大蔵
✥
.
" 今日はエビ寄りです。"
シェフはそう言いながら、
ブイヤベースのリゾットを
朗らかな笑顔で供してくれる。
呆れるぐらい濃厚で、
甲殻類の好意的な印象を詰め込んだ
風格のある逸品。
つくり手の人柄を顕すような
力強くもインテリジェンスな味覚。
ひとしきり楽しんでから
私は口を開く。
.
"カニの味がします。"
もうダメだと思った。
.
ノクトンブル=夜遊びをする人。
世田谷の奥座敷。
閑静な街にたたずむ
大人の社交場。
レストランと違えるほど
ひと皿に注ぎ込まれた情熱と
肌馴染みの良い
小慣れた空間に口角が緩む。
.
この巡り合わせに感謝すると共に、
これまでの道程の長さに嘆息が漏れる。
過ぎる時間の濃厚さに
身を絆される。
.
✥
東京 武蔵小杉
✥
.
" どこから話そうかな。"
過去一度きりの訪問
空いた時間が距離を生む。
それでもなお、
味覚は記憶に鮮明で。
.
"煎りアーモンドが忘れられなくて。"
炭火焼、ワイン、ジビエを推す
当店に於いてまさかのワードチョイス。
"覚えてますよ。"
迎える言葉に救われる。
.
此処は以前と変わらない。
人の想いを紡ぎ、笑顔の生まれる
居心地の良い場所。
人と人を、人と街をつなぐ
オトナの止まり木。
.
帰り道、寒空の下、
ホッと安堵のため息。
覚えていてもらえることが
こんなにも嬉しいとは。
.
✥
東京 世田谷区 二子玉川グル
✥
.
" 愛を込めて花束を。"
大人の誕生日は少しこそばゆい。
華美さはなくとも
刻んできた足跡が、
確かな重厚さをもって
花やかに色濃く露出する。
.
生ハムが薔薇の花びらのよう
洋ナシに成熟した厚みを添える。
"大げさかも知れないけど受け取って下さい。"
.
まさか男性に花束を渡す日が来ようとは。
.
✥
酒場 まるしゑ
東京 渋谷 代々木
✥
.
" 女性はみんな大女優だよ。"
代々木上原駅から
走り幅跳びで辿り着く杉玉。
おばんざいから〆まで
飲み放題込みで3,000円。
この立地で目を疑う懐深さ。
.
"500円で飲み放題30分延長出来ますよ??"
新年早々、笑顔満開で
そんなこと言われたら、
"1時間でお願いします。"
脊髄反射で返さざる得ない。
.
女性が手がける
やらわぎの空間。
勘違いしそうなぐらい
親しみやすく、慈しみ深い。
こういうお店と出逢うと
飲める幸せを実感する。
.
✥
とんかつ かつ一
東京 荒川日暮里
✥
.
" ホンモノは黒いんだよ。"
店へと向かうタクシー。
窓の外を眺めながら、
有識者の力説に耳を傾ける。
.
噂に違わぬインパクトのある衣
ザクザクと心地が良い。
優しく火入された赤身
歯がいらないほどに穏やかな食感。
前歯が幸福を伝えてくれる。
.
"世界イチうまいだろ?"
無言で何度も頷き返す。
美味いとんかつはカニ以上に黙る。
手切りのキャベツがまた優しい。
.
"何枚食っても翌日スッキリしてんだよ。"
カツも大人も少し黒いぐらいが
ちょうどいい。
3人で12枚のとんかつを平らげた
今後覆ることのない歴史的な夜。
.
✥
アイビープレイス
東京 渋谷代官山
✥
.
" 出汁が目に沁みる。"
街が眠る一月三日。
いつもとは違う、
極彩色の街明かりが漏れ届かない
落ち着いた夜。
.
逃げ込むように駆け込んだ
代官山の楽天地。
モダンでボーダレスな味覚は、
色彩豊かに心を染め上げてくれるはず。
.
"本日のスープはお雑煮になります。"
.
眩暈がするほど鮮やかで、
遠すぎたあの空。
.
✥
loveワインとビストロのお店
東京 世田谷二子玉川
✥
.
" 年始ハザード "
正月三が日。
連日の度重なるお節の猛攻により
血液まで出汁に支配された人々。
"なにか違うものが食べたい。。"
うわ言のように呟く言葉は
正月特番の笑い声にかき消されていく。
.
"このままではいけない。"
自らを奮い立たせ、
弾かれるようにコタツから飛び出す。
一縷の希望を胸に
ビル風吹き荒ぶ飲食街を練り歩く。
しかしそこに待つのは
封印札のような休暇の張り紙。
そして鳴らない電話。
.
"ウソだろ。。"
うなだれるように
ガラス扉にもたれかかる。
もう力は残されていなかった。
明かりの灯らない飲食店。
ガラスに映る自分の姿を見てギョッとする。
.
呼吸を整え、
辺りを見渡すと
そこには自身と同じく、
飲食店を求め彷徨う
"ゾンビ"となった人々の姿があった。
.
※文章と写真、お店とは何の因果もございません。
.
✥
東京 神田神保町
✥
.
多くの人から称賛を浴びて
有名にならなくてもいい。
お客がいっぱい入って繁盛しなくてもいい。
ただ、少なくてもいい
自分ひとりだけでもいい。
この店は"自分にとって最高だ"って。
そんな風にお店を愛してくれるお客さんが、
きっと此処には沢山いる。
.
栗の渋皮揚げ
白魚、くわい。
冬の秋刀魚。
せりの根、えび芋、白みそ。
温めた酒を
噛み締めながら呑み込む。
.
おなかもこころも
満たしてくれる暖かなあかり。
灯りの周りには人が集まり、
灯火を絶やさぬように守る。
人は明かりを求め、灯りは人を照らす。
これからもきっと、
あかりは人々に寄り添い、
そっと優しく照らし続ける。
.
✥
東京 神田神保町
✥
.
多くの人から称賛を浴びて
有名にならなくてもいい。
お客がいっぱい入って繁盛しなくてもいい。
ただ、少なくてもいい
自分ひとりだけでもいい。
この店は"自分にとって最高だ"って。
そんな風にお店を愛してくれるお客さんが、
きっと此処には沢山いる。
.
栗の渋皮揚げ
白魚、くわい。
冬の秋刀魚。
せりの根、えび芋、白みそ。
温めた酒を
噛み締めながら呑み込む。
.
おなかもこころも
満たしてくれる暖かなあかり。
灯りの周りには人が集まり、
灯火を絶やさぬように守る。
人は明かりを求め、灯りは人を照らす。
これからもきっと、
あかりは人々に寄り添い、
そっと優しく照らし続ける。
.
✥
神奈川 川崎市新百合ヶ丘
✥
.
"求められる存在"
.
昨今より飲食業界にも
広く浸透している
「何に使うか?」から
「誰に使うか?」という
「コト消費」から
「ヒト消費」への移り変わりは、
この時世に於いて
また一段の加速を得たように感じます。
.
地域に愛され、循環を促し、
還元を齎すこと事のできる存在は、
関わる人に感動を提供できる
中心的なソースとして、
今まで以上に求められるようになります。
.
多元的な時代の中で
唯一、普遍的なことは、
人が人を求めること。
「この人に会いに行けば、
何かが起きそうな気がする。。」
そう思わせてくれる存在が
明日を生き抜く誰かの拠り所となる。
.
此処はいつも多くの人が集まり、
多くの感動が生まれる場所。
これから益々、
注目を集める場所に成る。
.
✥
北海道 小樽
✥
.
"ビールが通った道をシルクロードと呼ぶ(泡)"
.
時季の素材を活かした和食
豪快かつ繊細な本格中華。
二兎を追える
和漢を折衷をしない
その愉悦。
選択肢を一つに絞らない贅沢。
誰しもが諦めた昨日の選択を救う
垂涎のひととき。
.
"日替わり単品飲み放題"
声に出して読みたい標語。
サッポロクラシック、
トルネードスーパードライ
地酒から銘酒まで破竹の顔ぶれ。
気前よく、慈しみ深い。
.
飲み干したグラスに残る泡。
指でなぞって辿る冬の足跡。
.
✥
北海道 小樽
✥
.
"郷土が風味を醸し出す。"
.
創業は戦前。
80年余りの歴史の中で
築き上げてきたその風格。
"小樽寿司屋通り"発祥の地で暖簾を掲げ、
小樽を代表する鮨屋となるまでに至った
その気概。
気丈な心意気と
明日を拓き進む姿勢は
時代を超えて人々を巻き込み、導く。
.
"いかそうめん"
特製のたれに
雲丹と玉子を入れてよく混ぜる。
風味が濃厚な丸みを帯びる。
しっとりとした食感
奥歯でぎゅっと噛み締める度に
甘みが滲み出す。
思わず笑みが溢れる。
じわじわと味擂に染み込む
海の味わいをただただ堪能する。
.
✥
北海道 札幌 すすじの
✥
.
"このひと皿の為に。"
.
"ポルチーニのタヤリン"
持ち上げたパスタが
キラキラと黄金色に煌めく。
なめらかな麺肌と
ポルチーニが手を繋ぎ、
ナチュラルに口内に寄り添う。
元来、一つの食材であったかのような
渾然一体とした味覚。
シームレスに五感に浸透する。
.
料理が呼吸し、
豊かさをはき出している。
近年を振り返っても
指折りの体験。
足を伸ばしてでも
時間を作ってでも
食べる意義のあるひと皿。
.
雪あかり照らす街の
キノコに精通したイタリアン。
芽吹きの季節にもう一度。
.
✥
横浜 川崎 新百合ヶ丘
✥
.
" あ、そう!ほんとに!?"
おじさんは喜びを隠せない。
.
"白子の春巻き"
パリッとした衣に
粉雪がふりつもる。
中からトロリと顔を出す
待ち焦がれた豊潤。
口の中に冬が来た。
.
"焼白子寿司"
なんでも出来るとは
聞いていたけど、
想像を遥かに上回る
そのスケール感に
語彙が吹き飛ぶ。
小難しいことは抜きにして
白子の海に溺れよう。
.
食が身体に季節を届ける。
食が心の均衡を保つ。
.
✥
福岡 博多
✥
.
"またここに戻ってきましょう。"
.
起ちゆらぐ香ばしさ
冬の無色透明な空気
大きく深呼吸。
炭火で炙った椎茸。
その身から湧き出すのは
感情の上擦り。
一滴たりとも零すことなく
手を添えて飲み干す。
.
"あれ?さっきまで
コヤマパーキングにいましたよね?"
当店は、姉妹店から徒歩数分の立地。
空間を途切れさせることなく
繋ぐことが出来る。
むしろその数分間の散歩が
さらなる酒呼水となる。
満を辞して迎えた夜
余すことなく
今を飲み干し切る。
.
✥
福岡 博多
✥
.
おじさん達は、
ビールを飲み干すと
泣きそうな顔になる。
.
"手羽中の一夜干し唐揚げ"
外は"パリッと"
中は"しっとり"を
徹底して突き詰めたひと皿。
食感、旨みのオノマトペ
噛み締めるほどに
五感に響き渡る。
.
飲み込むのが惜しくて
そのままビールで流し込む。
喉元がキュッと締まり
顔がクシャッとなる。
なんとも味わい深くて。
なんだか涙が出そうになる。
.
終わらせたくない時間。
手羽なしたくないひととき。
.
✥
東京 世田谷祖師ヶ谷大蔵
✥
.
男も女も哀も憂いも歓びも
燻る香りにくすぐられ
肩を組み合い、いざ酔わん。
.
するりと手のひらをすり抜ける
不忍の風。鈴虫の声
立ち昇る薫香。
内側から暖かくなる秋の寛ぎ。
.
"あら、いらっしゃいませ。"
幾層にも重なるもてなしは、
故郷のような温もり。
歩みを重んじ、
地に愛される在り方に胸を張る。
気丈な心意気
明日を切り拓く姿勢は
後世に伝い、導く。
.
育まれているのは
歴史か、自分自身か。
居住まいを正し、
追い掛けるように
呷る一献の嬉し水。
.
✥
Vin apéro - ヴァン アペロ
東京 世田谷祖師ヶ谷大蔵
✥
.
"お酒を楽しんで頂けたらと思いまして"
.
朗らかな笑顔でご主人は、
スパークリングワインをなみなみと注いでくれる。
.
"黒トリュフのパイ包み、ソースペリグー"
トリュフを丸ごと頬張る愉悦。
ギュッとした力強い肉感と
森を噛み締めるような
深い芳醇さに感覚を奪われる。
追いかける赤ワインで
意識をひきずり取り戻す。
.
世田谷、祖師ヶ谷大蔵。
あたたかなご家族が営むビストロ
身内のやりとりに心が和む。
.
ご主人の人柄が現れる誠実な仕事。
耳に馴染むアコーディオンの音色。
色ガラスの照明が目に優しい。
フランスの石造りの街を思い起こさせる
かわいらしく、どこか懐かしい空間。
隅々からじんわりと暖かさが滲み出す。
.
美味しい食事と気の利いたワインを
ゆったりと時間を忘れて愉しむ。
帰り際、店頭の看板に
家族の笑顔がまるく映える。
.
✥
銀座くらはし はなれ
東京 銀座
✥
.
"せいろそば"
.
幾つもの星がながれた秋の夜。
ゆらりゆらりと流れ着く。
.
キリッと角の立った蕎麦を
二、三本手繰り込む。
鰹の効いたつゆを
少しだけ。
箸をあげて、
勢揃いした蕎麦を
小気味よくすする。
.
酒が染み渡った喉を
清澄な小麦が拭っていく。
滑らかな蕎麦肌が
喉をながれ落ちる感触。
湧き立つ香り、甘み。
濃くも淡くもある
懐深い味覚。
.
大将を支える
若手二人の研鑽に
またひとつ心が震える。
星がまた一つ
秋の夜空をながれ行く。
.
✥
" 声に出して読みたい標語。"
東京 世田谷
✥
.
""少量多皿、割烹酒場。"
.
眩いばかりの文字の羅列。
目に沁み、心が疼く。
香箱蟹、揚銀杏、
冬瓜とスルメイカ炊き合わせ。
枝豆紹興酒漬け、
いぶりがっこポテサラ。
ズワイガニクリームコロッケ。
.
"栗渋皮揚げ"
渋皮に薄ら雪化粧。
ホクホクじんわりと。
酒に弱った臓腑に染みる
優しい塩梅。
供されるひと皿は
小さな秋の権化。
暖かさ恋しい季節へと
手を引いて連れて行く。
.
ふぐ白子焼、こまい一夜干し
鮎と紅あずまの春巻。
土鍋で炊いた銀シャリ、ひれ酒。
.
✥
loveワインとビストロのお店
東京 世田谷二子玉川
✥
.
" 翼をください。"
.
"秋刀魚のベッカフィーコ"
翼を携えた
香ばしい秋刀魚。
サクッとした皮目、
ギュッとした旨味。
.
松の実、レーズン。
食感が味覚に変わる瞬間、
秋が口の中で弾ける。
暖かさが恋しくなるような
夜空を飛び回りたくなるような
そんな秋の香りに
胸がドキドキする。
.
寒くも暖かくも感じる夜、
夜空を大きく吸い込む。
身体の中と外の境界が
曖昧になってフワフワと微睡む。
夜風を啄んで、
どこまでも飛んで行きたい。
.
✥
大阪 大阪市西区新町
✥
.
" 季節が微笑むから。"
.
仲秋の候、真夏日。
扇風機の風が煩わしくて、
スイッチを切った。
肌に触れる風が止んだ途端、
身の回りの時間が
止まったような気がして、
また電源を入れた。
.
西区、新町。
通りを挟んだ心斎橋の活気とは
対照的な落ち着いた街並み。
宵闇に現れる
柔らかな行燈の灯り。
いざなわれる様に店内へ。
.
"たっぷり用意しているので
色々楽しんでみて下さい。"
気概に溢れるご主人。
その一挙手一投足から
"より楽しい時間を過ごして欲しい"
という想いがひしひしと伝わる。
.
料理が呼吸し、
季節をはき出している。
型にとらわれぬ
旬の食材の活かし方。
笑顔の絶えぬ
"らしさ"のある空間。
五感を通じて伝わる
その全てが滋味深く、
名残惜しい。
.
秋風が吹いて暖簾が揺れた。
柔らかくも涼しくもある
心浮く夜風を纏う。
止まりかけていた
身体の中の季節の針が動き出す。
.
ようやく扇風機を仕舞えそうだ。
秋がそっと
微笑みかけてくれるから。
.
✥
東京 世田谷 祖師ヶ谷大蔵
✥
.
"ナストロアズーロに陽が沈む。"
.
夕刻のシチリア。
海が宵闇に反射して
石造りの街を青く飛ばす。
入り組んだ石畳の小径。
街灯があたたかく照らす。
どこからかやってきた
柑橘の甘い香りが、
リボンを描くように
港町をすり抜ける。
.
"国産小ハマグリと
ズッキーニ・チェリートマトのクリームソース
レモンの香り リングイネ"
名は体を表す。
陽射しをたっぷりと浴びた
シチリア島の恵み。
ビビッドに色彩豊か。
口内で力強く太陽が弾ける。
.
ペローニをグッと飲み干す。
陽が沈んだ海辺を、
そよ風のように
レモンの余韻がそっと撫でる。
.
世田谷区砧。
閑静な住宅街に佇む
かわいらしい外観の当店。
ここは南イタリアの魅力が
ギュッと詰まった
"地中海の宝石箱。"
.
✥
エノテカオルチャ
東京 世田谷 松陰神社前
✥
.
"どうです?このワイン、最高でしょう??"
ご主人の朗らかさにこちらも笑顔になる。
.
世田谷線、松陰神社前。
駅前、立ち並ぶ背丈の低い建物に
どこか懐かしさを覚える。
2本目の路地を左に入ると現れる
地中海を連想させる碧玉のファサード。
.
木製のカウンターに
落ち着きのある碧のトーン
居場所を作りたくなる心地の良さ。
.
"桃とフェタチーズをトッピングした
パスタ(フジッリ)ルッコラソース"
.
桃の爽やかな甘さ、
フェタの力強い塩味
絡むルッコラが緑感がさっと拭う。
インテリジェンスを感じる
目的意識のはっきりとした味覚。
ついボトルが空く。
.
旧市街、夕暮れ時の花の都
揺れるオリーブの林、マンドリン。
咲き乱れる花々、雄大な運河の流れ
この世の楽園トスカーナ
ここは世田谷のフィレンツェ。
.
✥
神奈川 川崎 新百合ヶ丘
✥
.
秋の明け方
空は抜けるように高く
肌寒さを思い出す。
遠くで鳴く
夜明かしの鈴虫。
.
朝イチ、市場に赴き
自身の目利きで
食材を選ぶ。
労を惜しまぬ、
たゆまぬ邁進が生み出す
おまかせ3,500円という
奇跡の懐深さ。
.
実るほどにこうべを垂れ、
流行るほどに背筋を正す。
全ては皆に
楽しく過ごしてもらう為。
言うは易し、
為すは難し。
その想いに感服する。
.
✥
東京 品川 武蔵小山
✥
.
ピザが美味い。
人はそれだけで幸せになれる。
.
夕刻のナポリ
太陽がひと足先に海へ帰る。
それでもまだ
市街から見上げる空は、
紺碧の海が
そのまま移ったかのように
明るく、碧い。
.
路地の石畳を照らす
飲食店の灯り。
アペリティーヴォを楽しむ
賑やかな笑い声で包まれる。
.
"マリナーラ"
フレッシュなトマト
ニンニク、オレガノ、バジル
小麦が甘い。
鮮烈なまでの素材感
南イタリアの陽射しのように
強く心を照射する。
一心不乱に食べ進め、
熱くなった身体を
モレッティで消火する。
.
食べる、飲む、笑う。
その場の誰もが幸せそうだ。
活気に満ち足りた、
陽気な南イタリアの空気がここに在る。
.
✥
ビストロ オー ランデ ヴー
東京 世田谷 千歳船橋
✥
.
何気ない寄り道こそ
幸せの形なのかも知れない。
.
茜色のそら
まだまだ日差しが眩しくて
目を瞑んだ。
まぶた越しに透ける太陽。
目を閉じて見る景色は
もっと朱い。
.
世田谷、千歳船橋。
閑静な住宅街の一角に現れる
洋館のような当店。
血統を感じさせるしつらえながら、
家庭的な温かみのある空間。
.
ハンバーグ、ピザ、
明太子のスパゲティー。
肩肘を張らずに楽しめる
ひと皿の温もりが、
心の奥までしっかり届く。
.
"今日はこんなことがあったんだ。"
帰り道。
何気ない会話を交わしながら
商店街を抜ける。
肌を撫でる風が心地良い。
夜空の向こうには
くっきりと月が浮かんでいる。
.
"ねぇ、聞いてる?"
目を閉じて見る月は
こんなにも明るい。
.
✥
LOVE ワインとビストロのお店
東京 世田谷 玉川
✥
.
黒い赤、赤い黒。
.
日暮れて、
連れ合う柳小路。
灯影に群がる虫のように
明かりを求めて今日も乞う。
.
"黒いナポリタン"
手を伸ばし、
掬い上げるような優しさで
黒と赤が混ざり合う。
イカスミとナポリタン
互いの濃厚さが手を取り合う。
.
石畳み、盆提灯。
ゆらりと照らし出される
朱色の影絵。
煌々と輝くシャンデリア
通り抜ける明かり。
木製のカウンターに
星空を落とす。
.
惹かれ合う二つの主張は
多元的な味わいをもたらす。
.
ふと、手渡された
鮮やかな黄色。
このコントラストもまた
捨て難く、味わい深い。
.
✥
中瀬隠居
静岡 賀茂郡河津町梨本
✥
.
この夏はやたらとシブとい。
.
天城連山に抱えられた
河津の奥座敷。
山々の滋養を含んだ岩清水が
香り豊かな山葵を育む。
.
八月の末、夏の果て。
覆い被さるような蝉時雨
つるし雛が揺れる
滲む汗は夏化粧。
.
"わさびづくし御膳"
生わさび、わさびそば、
わさび丼、わさびの小鉢。
思わず背筋が伸びるほどに
気持ち良く突き抜ける。
どこまでも広がる風味を
ビールで流し込めば、
天国へ一直線。
.
もう涙が止まらない。
温泉民宿も営む当店。
露天に浸かりながら
わさびを嗜む。
本当に天国じゃないか。
.
この夏はもう暫く続きそうだ。
.
✥
江ノ島 小屋
神奈川 藤沢市片瀬海岸
✥
.
夏の終わり。
.
海風、扇風機
汗をかいたコップ。
神様がわざわざ融通を
利かせてくれたかのような
見事な晴模様。
遠くに見える江ノ島の背には
真っ白な入道雲が
のびのびと横たわる。
.
"釜揚げしらす丼"
ふわふわのしらすが
口の中を泳ぎまわる。
海の旨みが口いっぱいに広がって
潮の香りがほんのりと残る。
思わず深呼吸をする。
.
遠く仰いだ空にいわし雲が浮かぶ。
その中をしらすの魚影が
キラキラと泳いでいる。
流れる雲を名残惜しく見送る。
それはきっと、
この夏のすべてだった。
.
✥
Kappouとよふく
神奈川 川崎
✥
.
過夏の名残。
.
森山直太朗、BENI、KREVA。
マイベストオブ"夏の終わり"プレイリストが
ラジオから流れてくる。
思わず意識を背けたくなる。
この夏が終わることも
気のせいだと言い聞かせているのに。
.
名残の新子。
酢と身の香りが混じり合い
緩やかな豊かさを生む。
甘さすら感じるほどに
優しく仕立てられている。
一枚一枚の行き届いた仕事が
口内にピッタリと寄り添う。
.
時季が過ぎ去る前に
出逢えて良かった。
.
去りゆく悲しみよりも
この季節に尽くせた誇りを。
.
✥
あざみ野ガーデンズ
神奈川 横浜
✥
.
その旗をいつも胸に。
.
大人にならなくちゃ
そんな気持ちが強くて
中身が子供のまま
みんなオトナを演じているのかも。
食事をする時ぐらいは
オトナを脱ぎ捨てて、
わんぱくに楽しもう。
.
ハンバーグ、ポテト、
海老フライにクリームドリア。
旗をポケットに挿して
胸を張って歩こう。
大人はきっと
そのくらいでちょうど良い。
.
ビールが止まらない🍺
.
✥
もんじゃ月島
東京 中央区月島
✥
.
夏休みの宿題。
.
鉄板の上に
釣り糸をたらして
夜空を見上げる。
水面につま先をつけて
波紋を描く。
湧き立つ土手は、
奮い立つ感情の上擦り。
.
心届けたその先に
どんな答えが待っているのだろう。
.
大人の夏休みは短い。
夜を使い果たすその前に
ナイショで答え合わせをしよう。
店を飛び出して、
夜空の高さで想いを描こう。
.
まだこの夏を終わらせはしない。
.
✥
エテルニータ
東京 世田谷二子玉川
✥
.
有限の無限。
.
一面に広がる
数えきれないほどの小はまぐり
貝殻の丸みが
どこか心に優しい。
.
貝殻一枚、出逢い一つ。
数え切れない
出逢いと別れの摩擦で
こぼれ落ちた一握りの雫を
舐めるようにして僕らは生きていく。
.
一枚の貝殻を満たす
黄金色のひとしずく。
.
✥
銀座いわ はなれ
東京 銀座
✥
.
ぎゅっと懐かしい
この感覚。
.
スマホがない
口約束しかできない
幼かったあの頃の方が
今よりも
友達と会えた時の
感動は大きかった。
.
此処に来ると
なぜかいつも
それに似た感覚に包まれる
久方ぶりに旧友と
再会したかのような
純真無垢な感動。
.
それは大将の人柄に惹かれたからか
過ごした時間が裏付けるからか
はたまた季節がそうさせるのか。
.
終わってほしくない時間。
つまみ一つ
握り一貫。
この身に
刻み込むように
噛み締める。
.
✥
銀座いわ はなれ
東京 銀座
✥
.
ぎゅっと懐かしい
この感覚。
.
スマホがない
口約束しかできない
幼かったあの頃の方が
今よりも
友達と会えた時の
感動は大きかった。
.
此処に来ると
なぜかいつも
それに似た感覚に包まれる
久方ぶりに旧友と
再会したかのような
純真無垢な感動。
.
それは大将の人柄に惹かれたからか
過ごした時間が裏付けるからか
はたまた季節がそうさせるのか。
.
終わってほしくない時間。
つまみ一つ
握り一貫。
この身に
刻み込むように
噛み締める。
.
✥
Kappouとよふく
神奈川 川崎市 新百合ケ丘
✥
.
美味いだけなら東京でいい。
流行りが知りたいならネットでいい。
此処で飲みたい。
そう思わせてくれる何かが
今日も足を向かわせる。
.
"前回のお通しは
牡蠣のあん肝のせだったので、
今回は鰻にしてみました。"
もはや何を言ってるのか
わからないぐらい嬉しい。
.
豊かさの塊
大ぶり蛤の酒蒸し
大判のアジフライは
ソースでもタルタルでも
締めは出汁の効いた
ペペロンチーノ
.
特別な日じゃない
それがいい
日常の延長線上にある非日常。
飽きるぐらいに
足を運びたい。
.
✥
鰻割烹 伊豆栄 不忍亭
東京 上野
✥
.
為すべきことを
そのまま自分で。
.
"もうこれから先は
お前の色を出していいぞ
みせてみろ。"
.
諸先輩方からの
声掛けに背筋が伸びる。
不忍池から届く湿った風を
ビールで拭う。
.
築き上げ、
歴史を支えてきた
その研鑽。
時代に捉われず、
今も尚、求められ続ける
その背中。
.
上野池之端で産声を上げ、
幕末の動乱、戦火、震災。
300年もの刻と共に、
その全てを信念に変えて、
暖簾を守り続けてきた当店。
.
諸兄に見守られ、
歴史の渦中に
その身を置き、
自身は今、何を思う。
.
✥
apericena
ワインバル アペリチェーナ
あざみ野
神奈川 横浜市
✥
.
大人は振れ幅がある方がいい。
.
日常の中で
さまざまな自分を
行ったり来たり
その真ん中で
バランスを取る。
均衡を保つのは
簡単なことではないけれど
.
行き来をする
その動きにより
風が生まれる。
風の大きさ
強さに、薫りに、
見ている人は
魅了される。
.
熱量を込めた
生ハムメロン
その振れ幅は
心に新たな風を生む。
.
✥
GARDEN HOUSE
ガーデンハウス鎌倉
神奈川 鎌倉
✥
.
日常にひとつまみのアドリブを。
.
練りに練って
詰め込んだ1日もいいけれど、
たまには余白を感じていたい。
.
高い空に両手を伸ばして
届きそうな雲。
胸いっぱいに風を吸い込んで
季節を感じる。
五感を使って自然を取り込む。
心が解き放たれて
生が実感できる。
.
"明日のランチは鎌倉で。"
思いつきのひと言が、
ピリッと効いたスパイスになる。
.
✥
東京 江東区潮見
✥
.
ちゃんとしてる。
.
"今日は我が儘でいいんだよ。"
いつも割と好きに
やらせてもらっているつもりだけど、
敢えて言わせてもらうとしたら、
"今日は何度でも
飽きることのない乾杯をしよう。"
.
身の回りの環境を見渡す事で
自身を肯定することができる。
これからも
一緒にいたい人たちといれるように
力になりたい時になれるように。
.
ここに来るといつも
背筋が伸びる。
.
✥
銀座くらはし・hanare
東京 銀座
✥
.
隣夏。
想いが遡上する。
.
新緑、稚鮎
岩噛む急流を昇る。
青々しく、みなぎる。
飛沫く水面、
抜ける清澄な風、波紋。
力強く、爽快。
初夏を匂わせる
色の濃い透明色。
.
共に過ごした時間が
磨き上げた想いが
色濃く露出する。
.
臆する事なく、
胸を高鳴らせ。
流れに負けず、
飛沫をあげて立ち昇る。
.
✥
大衆酒場ビートル 野毛
神奈川 横浜市中区宮川町
✥
.
おじさん達は歳を重ねると
イチャイチャし出す生き物です。
.
昼は背筋を伸ばして
大局を見極める。
厚みのある背中。
夜は酒を酌み交わし
共に語らう。
少し丸まった背中。
.
次の一軒へと向かう道中
流れるネオン、千鳥足
肩を組み合い、笑う背中。
そんな所謂な景色が好きだった。
.
信頼を置く目上の方々が、
子供のように
イチャイチャわちゃわちゃする。
そんな姿を見るのが好きだった。
.
気づけばいつしか自身が
そんなおじさんになっていた。
こんなおじさんの背中に
憧憬を見出す
素質ある若人はいないものか。
.
✥
神奈川 横浜市中区本牧
✥
.
いつまでたっても野心的。
.
太陽をビールに溶かして
ググッと飲み干す。
かぶりついた後のヨゴレ具合で
漢のイキっぷりを競う。
.
いつまでも変わらないこの景色
思い出の詰まったこの場所。
目に映るすべてを手に入れてやろうと
みんなに自慢しまくってやろうと。
いつまでたっても
それが一番のモチベーション。
.
✥
PROFUMO D'ALBERO
プロフーモ ダルベロ
神奈川 横浜市都筑区
✥
.
食材の素を描写する。
素材本来の味わいを引き出し、
その成を伝える。
ひと皿を作り出していく様は、
何本もの鉛筆を使い
幾重にも線を重ねたデッサンのよう。
.
ゆるやかに抜ける淡春の報せ。
色味豊かに、酔いうらら。
.
○カジキマグロのカルパッチョ 瞬間燻製
○マグロほほ肉のカツレツ パネッレ添え
○Pizza 彩り春野菜
○手長エビのトマトクリームソース
タリアテッレ
.
✥
ニャーヴェトナム・プルミエ 二子玉川店
東京 世田谷区玉川
✥
.
香りが笑顔に変わる。
.
"パクチー得意じゃないんだよね。"
苦手な食材が食べられるようになる
タイミングは未だよくわからない。
一度食べられるようになってしまえば
苦手だったことが懐かしくすら思える。
.
自身の思い入れのある店で、
その瞬間に立ち会えることは
変え難く嬉しい。
.
一緒に食べる相手
共有する時間
食体験の質。
大人であれば自身の持つ選択肢により
苦手は緩和できるように思う。
.
気に入ってもらえて良かった。
.
✥
銀座
✥
.
明日も昨日も酒にとかして
ただただ膨らむそのひとときを
いざ悠久に感じゆかん。
.
あらゆる事には
始まりと終わりがあって
関わることが出来るは
その途中だけ。
.
今、身の回りにある環境は
未来永劫続いていくような
気がするけれど、
物事には必ず終わりがあって、
それはきっと自身が思うより
早いタイミングで訪れる。
どれだけ大切に想っていても
ある日、突然目の前から
姿を消してしまう。
.
だからこそ
今、この瞬間を大切にしたい。
手の届くところだけでも
感謝を伝え続けたい。
今、自分にできることを
探し続けたい。
.
酒面に映る景色は
変わらず笑顔が溢れて。
余韻を愉しむ為に
小さく深呼吸をする。
.
✥
銀座
✥
.
「今日はオカン連れていくね。」
.
父を亡くして十余年。
その日まで
家族との時間など
考えたことも無かった。
長男という面目上、
家族で過ごすことも必要と思い、
暇があれば皆で
外食に出るようになった。
.
息子から見ても胆っ玉な母。
そんな母が酒の席でだけは、
少しばかりの本音を口にする。
それからというもの
2人で食事に行く機会が増えた。
.
これから先
あとどれぐらい共にする
時間があるのだろう。
どれだけの景色を見せることが
出来るのだろう。
予てからの目標であった
銀座くらはしに
連れて行くことは叶った。
.
桜ひとひら舞い降り重なる
盛春の宴と薫る青葉。
手に取っては、
浮かべて愛でる
盛旬の戯れ。
どこか面映い
母の日の前借り。
.
しんちゃん、有難う。
.
✥
ginzabeni
銀座
✥
.
居住まいを正す。
.
自分で言うのもなんですが、
どんなお店に行っても
割と自然体でいれるタイプです。
そんな私ですが
こちらに伺う時だけは
何故かいつも緊張します。
.
良過ぎる客層のせいか
待ち受ける感動を
知ってしまったせいか。
.
質の良い緊張感は
清涼感に似た充実を生む。
姿勢を正し、
いま何を食べているのかを
ハッキリと捉える。
豊かさを嗜むと共に
自身を顧みる。
.
✥
Kappouとよふく
神奈川 川崎市麻生区 新百合ケ丘
✥
.
さかな。
そのひと口に心を動かされてもいようが、
実は作り手の人生のへりを
見せられているのかもしれない。
.
川の流れに身を任せるように
目の前を過ぎて行く
日常のあれやこれや
さらさらと流れていくモノあれば
所在無げにいつまでも
引っ掛かっているモノもいる。
心の縁に溜まったモノを
手のひらで掬ってかざして見せる。
形、色、味
人それぞれで違うモノ
でもきっと
それはとても酒に合う。
.
✥
RELAiS Sakura
桜新町ルレ・サクラ
世田谷 桜新町
✥
.
"はじめまして"の代わりに
"おめでとう"を。
.
「誕生日おめでとう。」
同日ディナータイムになんと3件。
祝い席の重なりに
となり同士が祝い合う。
自然と笑顔が生まれる
温もり溢れる景色。
互いを想い合う気持ちが
祝い日に百花を添える。
街に寄り添い
温もりを育む。
人が寄り添い
想いを灯す。
この街をそっと見守る
みんなの止まり木。
皆に愛され、
共に成長する
大きな、大きな桜の木。
.
✥
土と青
調布 新百合ヶ丘
✥
.
涼しさと暖かさが共にあるようで
.
引き戸の隙間から
柔らかな夜風が入り込む。
酔い身に春風
季節がじんわりと染み込む。
.
花わさびの醤油漬け
うなぎの肝の山椒煮、
帆立のしぐれ煮、よだれ鶏
これ以上ない肴
空気の香り共に
胸いっぱいに吸い込む。
吐き出す感嘆のため息が
フワリと酒面を撫でる。
.
米の花ひとしずく。
胃の腑から広がる春
体の内側の温かさと、
外気の温かさが調和する。
.
✥
銀座くらはし hanare
銀座
✥
.
透き通るほど
まっさらで豊かな色彩。
.
そばの実の芯だけを用いた
真っ白な更科そば
突き詰めたその白色には
透明感すら覚える。
ほんのりした甘み、豊かな風味
名残惜しいほどの喉越しの良さ。
噛み締める度に伝わる
作り手の研鑽。
清澄な味覚が
花曇りの霞み空に
心映えする。
✥
当店は「銀座 くらはし」の新店舗。
本店は2020年4月開店という
時世に憚られることを
避けられぬ時期に起こりながらも、
人に街に愛され、着実に歩みを進めてきた。
カウンターで創意工夫を凝らした
会席料理を振る舞う本店に対し、
新店舗では四部屋ある個室にて
蕎麦懐石を楽しむ事が出来る。
ビジネスから家族の団欒まで
幅広いシーンで気軽に嗜む
くらはしの味覚。
想いを込めた一枚の蕎麦は
心浮く季節にそっと優しく寄り添う。
.
まっさらな和紙の上に
透明な色彩で書き殴る
想いを込めた新たな一歩。
.
桜花舞い散るさみしさを
蕎麦の花が力強く染め上げていく。
✥
ローストビーフの店 鎌倉山 玉川店
玉川
✥
.
腹に一本の竹槍を。
.
男子たるもの背負い、
課してこそ花開く。
そう諭してくれる方がいる。
.
腹に一本の芯を据えて、
真っ直ぐに貫き通す潔さ。
研鑽を積み重ねて50余年。
歴史を育み時代を築き上げるその度量。
.
黒毛和牛に味付けは塩、胡椒のみ。
体温でほどけ、
そっと口の中に寄り添う。
伝統的と括ってしまうには
あまりにも味わい深くて。
.
背筋が伸びると共に
心に火花という名の花が舞う。
.
✥
炉端のぬる燗 佐藤
中目黒
✥
.
身体が夢を見ている。
.
炭火の暖かさが
目と鼻から入り込み、
身体中に充満する。
米の花
炭の香りを拭うように
ゆっくりと噛み締めながら流し込む。
胃の腑から全身へ
豊かさがスッと溶け込んでいく。
.
高架下、
抜ける甘い風
寒さはもう此処にはいない。
淡い夕闇、朧げな光
全ての感触が丸く柔らかい。
えいひれ、そら豆
鮭とば、帆立の貝ひも。
.
柔らかな時間の中
炉端で春を炙る。
.
✥
銀座くらはし
銀座
✥
.
冬を好きになる
春が恋しくなる。
.
滋養を一身に孕んだ冬の豊かさ。
栄気に満ちた春の誇らしさ。
融け行く寒旬の名残に思い馳せ、
向かう早生の鮮色に意識を染める。
.
移り変わる季節の境目特有の
ふわふわとしたこの感覚。
掴むこと叶わぬと分かっていても
手を伸ばして手繰り寄せたくなる。
.
噛み締めて捉える春夜の夢。
.
.
○大根餅 赤海老 キャビア 柚子 金箔
○蛍烏賊とアスパラの油焼き
○アラと筍の昆布巻き 芽蕪 京人参 柚子
○大トロの叩き 芽ねぎ 花穂紫蘇 山葵
○豆乳担々麺
○北寄貝 春キャベツ
長芋昆布締め 土佐酢 生姜
○鰻の白焼き うるい 蕗の薹醤油 山葵
○ズワイガニ 白味噌グラタン 菜の花 葉山椒
○牡蠣飯
.
✥
タカズ ビストロ ヴィエス
二子玉川
✥
.
簡単だね。
難しくしているのはいつも自分で。
大好きなものをお腹いっぱい食べる
それだけで笑顔が生まれる。
それだけで何かが始まる。
.
二月の黒トリュフ。
厳冬を越えて
その身に一層の豊かさを宿す。
ひと口で深い森の湿度に溺れる。
木漏れ日、照らされた鮮やかな緑苔。
土の匂い、淀みのない川の水。
透明、きらきらと光が揺れる。
深呼吸。ピンと張った冷たい空気が
頭の後ろ側まで突き抜ける。
清澄さと荘厳さを併せ持つ空間。
.
深林を通り抜けた向こう側
垣間見る淡い豊かさ。
冬の終わり、そして春の訪れ。
.
お腹いっぱいに季節を吸い込んで。
満たされて、笑顔で。
それだけで何かが変わっていく気がする。
次季への淡い想いを胸に
またここから一歩ずつあるいて行こう。
.
○トリュフサラダ
○トリュフの炊き込みご飯
○和牛のトリュフソース煮込み
○トリュフパスタ
○30年熟成シェリー酒と
バニラのアイスクリーム
.
✥
camino
カミーノ
横浜 センター南
✥
.
なんだかよくわからないけど
それはきっと、
この世界のすべてだ。
そう思える。
.
初めて伺ったのにも関わらず、
"おかえりなさい。"
と笑って手を振って
迎え入れてくれるかのような心持ち。
.
赤いチェックのテーブルクロス
ブルーグリーンの趣きのある木椅子
時間の流れを暖かく伝えるランプ
クマのぬいぐるみ🧸
目に映る全てが温かい。
.
「ホタテとアスパラガスのペペロンチーノ」
.
噛み締めて
溢れる多幸感。
とっても美味い。
今は考えるより、
ただただこの幸せを享受したい。
.
息が詰まりそうなこの日常に
「しっかりしなさいよ」と温かく笑って、
呼吸の仕方を思い出させてくれる。
.
久しぶりに新鮮な夜の空気吸えた気がする。
.
帰り道、見上げる星空は
我関せずと言わんばかりに瞬いていた。
.
✥
loveワインとビストロのお店
東京 二子玉川
✥
.
時期ハズレの紅と白。
.
あらゆる色を閉じ込める
灰色の冬空。
石畳を照らす無機質な街灯が
殊更に視界から色彩と温度を奪う。
温もりという名の色を求めて
いつもの場所へ足早に逃げ込む。
.
ひと口で空間ごと
なめらかに包み込む
カルボナーラ。
ひと口で身体の周りの
大気ごと沸騰させる
アラビアータ。
.
赤と白。
対極する二つの色彩が
それぞれを象徴するような
伝え方で体温を取り戻してくれる。
陽だまりに寝ころがり
日差しがおなかを
暖めてくれているような淡い熱感。
不思議なくらい
満たされて、ほっこりと包まれる。
.
長らく観てはいないけれど
こんなに美味しい対抗戦なら
年中体験していたい。
.
夜深まる帰り道
変わらぬ景色、石畳。
ひとつ違うのは、
街灯の明かりに
今はあたたかさを覚える。
.
✥
銀座くらはし
東京 銀座
✥
.
新春を労う
深海の宝石箱。
.
駆け抜けてたどり着いた
深夜の晩餐。
事切れそうな意識の中
震える右手で
一心不乱にかき込む。
.
ちらしと言うには
あまりに眩し過ぎて。
酒に疲れた胃の腑に
キラキラと沈み重なっていく。
.
✥
&EPICURE(アンド エピキュール)
神奈川県 鎌倉市
✥
.
花の寺に届く一陣の風。
花のそれではない
香ばしさに誘われて
辿り着いた一軒の古民家。
燻した梁、淡い間接照明
趣のあるモダン。
流れている時間が
既に心に優しい。
.
「発芽玄米のグリーンカレー」
.
身体にも心にも
優しい仕立て。
それでいて満ち足りている。
無意識下で求めていた
清純無垢なやさしさ
浸透する滋養に
細胞が上擦る。
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緑と古都に親和する空間。
豊かな香りに包まれて
春を待つ。
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ニャーヴェトナム・プルミエ
世田谷区 二子玉川
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不思議なもので、
香りというものは、
自分の心の中にある記憶を
強く引き出してくれる。
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満ち足りたハーブの生命力、
肌に馴染んだ無垢なスパイス。
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噛み締める度に
弾ける爽快感が、
頭の裏側を貫く。
それと同時に香りが
非日常の扉を開く。
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今は遠い記憶の原風景が
まぶたの裏に広がる。
心が解れ 意識が和らぐ。
深呼吸 余韻が全身に浸透する。
香りがもたらす
愉悦に浸かる。
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絶え間のない日常に
ひとつまみのスパイスを。
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潮見スキッパーズ
江東区 潮見
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この世界のすべてを
肯定するような懐の深い旨み。
胸がきゅっと締め付けられた。
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じんわりと胸が熱くなって、
声を出せなくなる。
噛み締めた感動のせいか
嚥下が弱くなったせいか
喉の奥が震えてうまく言葉が出ない。
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人間が元来求める
生命への渇求を掻き立てる。
追い駆ける赤い葡萄は
血液となり心身を駆け巡る。
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見上げれば
いつの間にか空に月。
今年もまた美味しい年にしよう。
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銀座くらはし
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明日を切り拓く「威勢」。
囲む縁が招く「福」。
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独自の品格を湛えるその雄渾な姿。
剛直さと繊細さが同居している。
下の奥で感じるギュッとした旨み。
喉元を通り過ぎたあとに
追いかけてくる豊かさ。
余韻を愉しむ為に小さく深呼吸をする。
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じんわりと心が熱くなる。
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落ち着いて
周りを見渡すと
年を労う笑顔が咲き誇る。
この景色を見ると、
口では表現できないほど
自分の人生や出会いが
とても尊いものに感じる。
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幾世、移り変わりが起ころうとも、
人を紡ぐのは縁と恩。
繋がりを辿り、
人と人の想いはやがて福と成す。
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この一年、手繰り紡いだ
全ての御縁に感謝を。
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鰻割烹 伊豆榮 本店 Izuei Honten
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朔風沁みて心を絆す
夜空に広がる花かがり。
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吹き抜ける風の色が透明に近くなるほど、
無意識的な温もりが恋しくなる。
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冬の海風慕う街
ゆったりと落ち着いて
穏やかに向き合う近海の幸。
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肩を寄せ合い分け合う
酒と時間。
滲み出す和らぎ。
現を酒に溶かして
もたれ掛かる。
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店内に響きわたる
耳を聾する轟音。
飛び出して、海岸へ急ぐ。
目の前に視界いっぱいの
冬の大輪が咲き誇る。
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届かないと分かっていても、
手が届きそうなぐらい近くて
心が火照る。
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童心に還り、見上げる夜空、
見つめる笑顔は咲き乱れる。
目に映る
その全てが綺麗だった。
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どこまでも膨らむその刹那を
今は悠久に感じていたい。
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鰻割烹 伊豆榮 本店 Izuei Honten
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するりと手のひらをすり抜ける不忍の風。
陽光。
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起ちゆらぐ香ばしさ
冬の無色透明な空気
大きく深呼吸。
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頭の後ろの方に
幸せな余韻が残る。
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追い掛けるように
呷る一献の嬉し水。
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心の均衡を保つ滋養。
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様変わりする不忍の景色、街の景色。
皆その中で抗っている。
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待ち焦がれたこの刹那、
今は噛み締めて楽しもう。
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中国料理虎包
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「小さい頃ピータンって
なんとなく苦手だった。」
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久方ぶりに厭わないで過ごす家族の会食。
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オトナになってからの家族揃っての食事は、
どこか不思議な距離感。
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「仕事の調子はどう?
そろそろペイできる頃?」
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八宝菜の牛肉に一目散に箸を伸ばす。
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子供と大人の両面が、
顔に張り付いて剥がれない。
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「紹興酒ってプリン体多いらしいよ。」
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ピータンと紹興酒の往復
手を止めることなく会話を続ける。
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「この麻婆豆腐美味しいね。
醤油とオイスターソースで
舌馴染みが良い。
広東風かな。」
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個性を引き立てながらも、
懐かしさを感じさせる味わい。
郷土への想いが活きている。
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「年末どうすんの?
予定ないんでしょ?
これは四川式。」
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麻婆豆腐の山椒がピリリと効く
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中華は団欒の時間が良く似合う。
何気ないひとときが心映えする。
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ろばた料理 山麓園
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この温もりを連れて帰ろう。
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弾ける炭の音
抜き抜ける風の透明感
全てが余計に季節を匂わせる。
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築150年、重厚な合掌造りの古民家
軒先には生け簀、水車
野趣に富んだ空間。
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囲炉裏に並ぶのは、
地の豊かさを顕す
どこか自慢げな顔ぶれ。
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どっしりと流れる時間
滲み出す風情、彩り溢れる。
文化があり、自然がそこにある。
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移ろう四季の一瞬を切り取った
躍動感のある日本の原風景。
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染み入るような秋の寂しさを
慰めるような温もり優しさ。
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bouchon nemo
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見
感覚をさらう。
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無花果、バルサミコ、
生ハム、胡桃、マスカルポーネ。
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握り締めるように味わう。
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じわじわと湧き立つ興奮。
入り込む秋風が拭っていく。
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残る無花果の余韻に頭が呆っとする。
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心の中は空っぽで、
解けるような繊細さが
ふわふわじんわりと広がっていた。.
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しのびよる師走。
全てから自分をさらってくれる場所が
なによりも恋しくなる。
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ビストロアライブ
bistroalive
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見えない鍵をそっと渡された気分。
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否が応でも取り戻しつつある
日常の様相。
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空白みたいな気持ちで
車内から空を見上げる。
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辿り着いて開いたその場所には、
予期せぬヒカリが待っていた。
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素材を伝う
多感覚的なアプローチ
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骨太なビストロにひとつまみの
アジアのエッセンス。
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活きたスパイス、ハーブ、みなせ牛
素材の質感、余韻ゆたか。
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体の芯が暖まり、
心が沸き立っていくのを感じる。
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生き生きとしたその姿を
眺めていたら
全部がもうどうでもいいやって
思えて来るんです。
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美味しいものを食べて
明日笑えればそれでいい。
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どこか許しを与えられたかのような安堵感
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日常の延長線上にある温かい光。
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扉の向こうにある輝きに
無意識に手を伸ばす。
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RELAiS Sakura 桜新町ルレ・サクラ
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.街に育ち 街を育つ。
人に寄り添う街の止まり木。
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閑静な夜 道ゆく二人。
季節が足早にさせる
つないだ手を大きく振って。
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向かう先は一つのビストロ。
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変わっていくのはいつも景色。
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いつしか二人に子どもが生まれた。
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幼稚園の迎えに立ち寄る
いつものカフェテリア。
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ピアノ発表会の後の
ご褒美フレンチ
今日のパスタはなんだろな。。
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いつしか子どもは大人になった。
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気兼ねのない友人と
ちょっと背伸びしたシャンパン。
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彼と両親を連れて向かう
馴染みのレストラン。
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酌み交わすワイン。
息子が出来たような感覚に父の顔がほころぶ。
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そしていつしか子どもが生まれた。
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おじいちゃんおばあちゃんといく
いつものお店。
苦手な野菜もここならがんばれる。
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帰り道
みんなでつないだ手を
大きく振って。
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変わっていく景色と変わらないこの場所。
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人に寄り添い温もりを育む。
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人が寄り添い想いを灯す。
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この街をそっと見守る
みんなの止まり木。
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銀座くらはし
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.その身に宿す熟成させた時間。
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子持ち鮎、落葉。
ゆらりゆらりと舞い、落ちる。
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揺れる水面、撫でる色なき風、波紋。
凛として、ピンとして、透明。
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澄んで冴え渡る
深い秋色。
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熟かせた時間が
磨き上げた想いが
色濃く露出する。
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色が伝える温もり恋しさ
内包した豊かな滋味。
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山風が運ぶ、
無意識的な感動に
包み込まれる。
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bistro-confl.
駒沢大学
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.足元から伝わる温もり。
じんわり、ほっこり、ゆったりと。
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落ち着いた木目のカウンター
触れてみたくなる電球の温度感
使い込んだ風合いのある黒板
丁寧に作り込まれた食材の力を感じるひと皿。
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見落としそうなほど小さな特別達が、心をそっと撫でつける。
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店内からこぼれ出る灯りは道ゆく人の心までも癒す。
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嗜み、味わい、安堵する。
日常に寛ぎを添えてくれるのは、きっとこんな場所。
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○野菜のアミューズ3種盛り
○いくらのマデラ酒漬け
○馬肉のタルタル -フレンチフライ-
○モンサンミッシェル ムール貝 白ワイン蒸し
○夏鹿モモ肉のロースト マデラ酒のソース
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IRORI
〜炭火焼きと自然派ワイン〜
読売ランド前
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細く長く、暖かい雫を、
ゆっくりと噛み締めながら流し込む。
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酔うというのは身体が夢を見ること。
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厚みのある木目のカウンター
年輪が創り出す模様
つい手を遊ばせたくなる。
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店内の基調はエメラルドグリーン。
陽の光に優しくせせらぎ、
夜の帳にそっと寄り添う
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華やかながら、自由である。
実直ながら、遊びがある。
筋が通っていながら、隙がある。
清澄でありながら、温もりがある。
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取り囲む和らぎの囲炉裏
温もりに手を伸ばすように味わう。
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夢見心地で暖を取る。
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○シャインマスカットのカプレーゼ
○燻製鴨とマッシュルームのサラダ
○モンサンミッシェルムール貝の白ワイン蒸し
○厳選牛の炭火焼き タリアータ仕立て
○レモンのトマトクリームパスタ
フェットチーネ
○ピスタチオのジェラート
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L'AVANT-GOÛT ラヴァン グゥ
二子玉川
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繋ぐ両手。国境を越え、
優しく届くバスクの風。
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荘厳な自然を内包するピレネーの山々、
恵みを含んだ風は、大地に実りを育み、
やがて陽光の港町に届く。
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フランスとスペインの間で
両国のエッセンスが混ざり合い
磨かれてきたバスク地方の料理。
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二子玉川の地でモダンに再解釈される
豊かな山海の食文化。
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積み重ねたフレンチの堅牢さの上に成り立つ、
どこか馴染みを感じさせるバスクの懐深さ。
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味覚ごと空間を優しく包み込む。
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様々な食文化と手を取り合う
日本の食感覚にも違和感なく優しく寄り添う。
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遠く離れたこの地で香る滋味豊かな欧州の風。
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沖縄アグー豚と古酒泡盛 はいばな(南風花)
恵比寿
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釣り糸たらして空を見る
浅瀬に浸かり海を見る
遠くに響く団欒の声
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腰肩、行く末へと沁み込んで行く淡い夏の憧憬。
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清澄で癖がなく、
まるで沖縄の水や空気を液体にしたような
爽やかな味わいが、体の熱を拭い去ってくれる。
冷房の効いた店内で飲むひと口目のそれは、
まさに至高の一杯
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グラスを持ち上げ、
店の灯りにかざしてみせる。
透き通る光がグラスと氷を
ゆらゆらと幻想的に煌めかせる。
その奥に映る笑顔は、
日頃の感謝を伝え合う優しい時間。
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沖縄の優しい空気に包まれる
今は遠く憧れる
楽園きわまりない景色。